城砦戦で考えること

城砦戦では、それを成す4種のカード(天幕・駐屯地・堡塁・要塞)のうち駐屯地が強すぎるためこれを中心に考える。さらにカードの大量獲得手段があるかどうかも。

 

理想的な形としては、駐屯地を2枚以上確保し(そして相手に確保させずに)、これを1枚ずつ交互に毎ターン打つ。そして「大量に獲得しても問題ないようなカード」を大量に獲得することで引ききりを狙う。上のサプライでは旅籠による馬がそれにあたる。

 

相手が初手で天幕を買わなかったなら、最初の天幕プレイで駐屯地買う(天幕戻す)→次のターンにも駐屯地買う(天幕戻す)→次のターンに循環して、それ以降は一切循環をしなければ相手は駐屯地を買うチャンスが2回しかない。別のカードを買ったり、4金出ないターンがあれば相手に駐屯地2枚を買われずに済む。駐屯地は1枚と2枚では安定度に大きな差があるため、自分が2枚・相手が1枚の形になったらそのまま、その後循環はしなくていい。

 

他の循環カードでも同じことが言えるが、特に城砦では天幕を山札の上に戻すことで連続して打てるため、持っている人だけが循環をコントロールしやすい。そのため初手で天幕を買わざるを得ず、そういう意味で5-2側は苦しくなってしまう。

 

このような2周目に駐屯地2枚を買うことを優先すべきゲームでは、つまり2周目に5金を出す必要がないため、初手で天幕の相方に銀貨を買わなくてもよい。天幕を沈ませないためにキャントリップを買うという選択もアリ。

 

 

大市場が欲しいとき、銅貨はいくら手札にあってもプレイできないため無駄になる。何かしらの用途があればいいのだが、今回は旅籠での馬獲得手段に使えるためちょうどいい。

銅貨を1枚捨てるごとに馬を1枚獲得し、それにより駐屯地の上のトークンが1枚増えるため、つまり銅貨1枚が次のターンの手札を2枚増やすことになる。立派に引ききりの役に立っていると言えるので、銅貨を圧縮する必要はない。

トロル戦で考えること


橋の下のトロルがあるゲームにおいて考えなければいけないことは「トロルを7~8枚並べられるか」だ。8枚並べるか、7枚並べて8金出せればその瞬間に勝ちが確定する。

 

いわゆるビッグブリッジは1ターンに橋を7枚プレイする必要があるが、トロルなら2ターンに分けられる。4枚打てるなら打って、トロルをもう3~4枚買い、次のターンに同じくそれらを打てば完成だ。つまり必要なアクションは+3。

 

しかし村村村トトトトの7枚が入ったデッキがあるとして、これらをすべて打って4金値下げしても5コストのトロルは買えない。3枚買うなら3金、4枚なら4金が必要になるため、他になんらかの方法で金量を出したい。

さらに圧縮の手段と、できれば研究所のような手札を増やすカードが欲しい。それらが揃っているときに「トロルを並べられるゲームだ」と判断できる。

 

 

例えば先日プレイしたこのサプライ。

圧縮手段に生贄を入れ、圧縮が済んだあとは城塞廃棄でドローとアクションを得られる。回してみるとトロル8枚並べるのに14ターン程度であった。

 

 

ちなみにこの生贄+城塞。一度の廃棄で手札は+1枚・アクションも+1。

これに似た手段で生贄+進路もあり、こちらも一度の廃棄で手札は+1枚だが、アクションは+2。ただし城塞は1枚で十分なのに対し、こちらは生贄と同じ枚数の進路を必要とするのに注意。

 

僕の行く道は 果てしなく遠い

ある日の対戦、ボロ負けし、あまりにも「見えているもの」が対戦相手と比べ違い過ぎて、こんなツイートをした。

 

 

トロルを7枚並べればゲームは終わるため、それをなるべく早く達成するにはどうすべきかと考え、鷹匠で旅籠を取って馬を大量獲得し、それを使って従者とトロルを引いて7枚並べることを一人回しで試し、だいたい13ターンで達成できることが分かった。

 

 

しかし、強者の考えはさらに異なるもので。

 

 

 

なんと8ターン決着。

トロル3枚並べてからターンが始まり、4枚目を買ってからさらに騎兵隊購入でそれを引き、4枚並べれば従者・絹商人・騎兵隊がすべてタダに。

従者と絹商人をある程度確保したら、騎兵隊購入(+1購入を得るためいくらでも買える)でそれらをすべて引き、購入を一気に増やす、というもの。

 

 

これらの購入とプレイ時、それぞれ何が起こるかをまとめてみると、こう。

絹商人だけ見ると、購入時に得られた村人1はそのままその絹商人のプレイに費やすことができ、また購入時に費やした1購入はプレイすることで1増やすことができるため、いずれもプラマイゼロ。1枚購入することでデッキはその1枚増え、それをプレイすればデッキ2枚を引くことができるため、1枚につき手札は1枚増える、ということはつまり絹商人はいくらでもタダで獲得できる研究所であると言える。

その研究所によって引いた従者は、1枚を+2アクション、もう1枚を+2購入とすれば、2枚一組でアクションはプラマイゼロ、購入は2増える。従者2枚で2購入増えるということは、1枚で1購入増えるということであり、その1枚を手札に引くために必要な研究所=絹商人1枚によって1購入増えるということであるとも言える。

 

そして騎兵隊購入はそのまま2ドローの役割を持つものの、その騎兵隊自体がデッキに混ざり、それを引いてしまうため実質1ドローとも言える(従者と絹商人だけの山札を作った直後なら、それに騎兵隊は混ざらないのでいいのだが、実際には購入を増やすために従者と絹商人をある程度引く必要がある)。

 

つまり、トロル4枚貼れば購入は大量に増やすことができ、それができるなら従者・絹商人・騎兵隊は一気に枯らすことができるため、それが最終ターンということに。増えた財源で属州を買うことも、それができずともタダになった屋敷を枯らすこともできるので十分、ということであった。

 

と、こうして表にしてみればさすがに理解はできるものの、実践でこのサプライを見て果たしてこれに気付くことができるのだろうか。気付くようになるには何をしたらいいのだろうか。

5コスト優先順位選択、の練習

パン屋があるため初手で5コストのカードが買える。さてそれは何か。という問題。

 

果樹園があるため馬丁は欲しい。トロルで値下げした後なら馬丁でいろいろ取れる。特に公領獲得でのキャントリップ化は忘れないようにしたい。

ならば、初手トロルではないか?トロルの持続中なら馬丁でなんでも取れるのだから、と思ったのが間違い。相手は狂信者を初手に買い、そのまま狂信者連打によってこちらのデッキは膨れ上がり、見張りを打つ回数も大幅に減って、もう何もできない展開に。

 

例えば魔女戦で、魔女を入れるのが相手より1ターン遅くなったところで、魔女を打つ回数に1回の差ができるだけ、つまり呪いが6-4で分かれるだけと割り切ることができるが、狂信者での廃墟はそうはいかない。1ターン遅れるだけで8-2とか、9-1なんかになってしまう。廃墟9枚入ったデッキは1回転するのに2ターンずつ遅れるため、二人戦においては勝負ありだ。

 

二人戦は、別にデッキを美しく作る必要なんてなくて、ただ相手よりもいいデッキを組めればいいだけだ。「相手よりもいいデッキ」を作るには、自分のデッキを成長させずとも、相手のデッキを破壊すればいいだけだ。

 

 

というわけで練習。このサプライで狂信者‐見張りから入り、2周目にポーションを入れ、とにかく廃墟がなくなるまで狂信者を優先して取った後、トロルやら老魔女やらパン屋やらを3枚ずつ入れると、たとえ相手に属州先行されたとしても果樹園点で十分追いつくことがわかる。

 

Lord Rattington相手だとやるたびに展開が変わり、枯れる3山もその都度変わるのが興味深い。これは1度だけ起きた属州枯れ終了の図。

なお馬丁での公領獲得はできても、属州獲得はかなり難しい。そこまで狙う必要もないのだが。

玉座玉座コンボの安定剤にサル、の練習

 

村がなく、玉座の間とキャントリップがあるゲームで、玉座玉座からキャントリップを繋げるコンボを狙うとき、手札にその3枚がなければ始まらない。

これを解決する手段としては、圧縮するか、ターン開始時の手札を増やすかが考えられる。

 

上のサプライでは圧縮手段がないが、強力な持続ドローであるサルがあるため、これに頼ることにする。

 

ここまではいいのだが、玉座の間、キャントリップ(願いの井戸)、そしてつながった後の金量としての共謀者の獲得手段として優れている織工(上の画像では「機織り」)を初手に取るべきであるところを、早めの輪作のための6金を出す手段として男爵から入ってしまった。結果相手の織工で玉座を取り負け、敗北。

 

 

そこで、初手:織工‐サルから入り、織工では玉座の間を確保、ある程度取ったら共謀者を取る方針に切り替えて練習。玉座の間はなるべく重ねて使い、1枚だけ残ったらサルを対象として打つことを優先させたところ、相手次第ではあるもののかなりの速度が出ることがわかる。12~14ターン決着で40点弱は軽い。

 

何度目かのゲームの最終ターン、停泊所とサルと輪作とで手札15枚からスタート。玉座をすべて重ねてから共謀者でドローし、引いた共謀者でさらにドローする。

 

共謀者3枚と男爵1枚をそれぞれ2回ずつプレイして20金。共謀者をもっと獲得しておけばもっと出ていたかもしれない。

行進3山の練習

行進によってアクションカードは2度プレイされた後に廃棄され、それより1高いカードを獲得するが、これはアクションフェイズ中であるため、うまく引ききれればその高い方のカードをそのターン中にすぐプレイすることができる。それも行進にかかればさらにもう1コスト高くすることも。

 

一般的に行進があるゲームで、3・4・5コストのアクションカードが存在し、それらのうちひとつは工房系、ひとつはドローカードであるならば、4と5のカードはかなり早く枯れる。3がキャントリップならさらに。

 

 

というような、行進による3山速攻でゲームを終わらせるプレイ、見えていなかったり、見えていても相手の方が構築がうまくて負けたりすることが多いため、練習することにした。

 

目標はゲームを突然終わらせること。まだ1山も枯れていない状態でターンを始め、そのターンで3山を枯らすこと。

 

 

 

以下、何度かやってうまくいった例。

 

3コストに村、4コストに行進と大工、5コストに魔女の小屋を選択。特に5コストが魔女系であれば呪いが枯れるため、これと4・5コストのカードで3山が見える。圧縮には礼拝堂を。

 

初手:大工‐礼拝堂から、2周目に大工と行進を足し、デッキを圧縮して、行進+礼拝堂から礼拝堂を村に変えたり、行進+大工で行進と大工を獲得しつつ大工を魔女の小屋に変えたりと、カードのコストを1ずつ上げていく。

 

 

第10ターンの開始時、状況はこんな感じ。

手札:行行大魔魔

山札:村行行大礼行魔大魔行

 

魔女の小屋4枚を2回ずつ打てば呪いは枯れる。行進+行進+魔女の小屋から始め、あとは常に行進を挟みながらアクションカードを2回ずつ打っていく。大工を打てば4コスト2枚と5コスト2枚(行進と大工が廃棄されるため)を獲得できるため、このターンでゲームを終わらせることができる(ただし先に呪いが枯れると大工は「改築効果」となるため、魔女の小屋と大工を打つ順番には注意する必要がある)。

 

 

3山枯れたところ。点差は呪い10枚によるもの。

11/23 東ドミでの5戦

1.
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倍付
2番手4位
初手5-2。墓地で圧縮したいが、手札5枚から銅貨4枚で墓地を買うのは圧縮にならず、銀銅銅でも今一つ。ここは屋敷を墓地に変えることでそれを叶えたいが、それを担うのは総督か身代わりか。
身代わりはアタックになるため2周目からいきなり屋敷→墓地とするだけで、こちらは3枚圧縮・他プレイヤーには呪いを配れる。一方総督は枚数を確保したいし、相手にドローやら銀貨配りも序盤からしたくない。というわけで初手5金は身代わりを選択。同じく1番手も5金身代わりとしたので返しで堀を。
すると第3ターンに身堀銅銅銅。仕方なく堀→墓地として銅貨3枚廃棄。第4ターンに堀を買い戻す。
その後再び身代わりで墓地→墓地として3枚廃棄したところ、デッキ内総金量2金に。それでもすぐに身代わりで墓地→総督などとすればいいが、その身代わりが沈んでパスしたり。
総督は結果4枚ほど確保したものの、4人戦で互いに総督を打ち合うと互いに速度を上げ合うためにスピードゲームに。気づけば「銀貨をたくさん配られてドローさせてもらった」4番手が圧縮を進めた上に金量もたくさんで、毎ターン8金出す展開に。こちらはデッキが出来上がったと思った瞬間にはゲームが終わっていた。幽霊の1度目の持続中に。

 


2.

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倍付
3番手2位
初手4-3を悪魔の工房-隠遁者とし、伝令官集めしようと思ったら幸運のコインで銀貨が増えるのだった。2周目で悪銅銅銅屋から巾着切り打たれて購入なしからの悪魔の工房で金貨を獲得、3周目にその金貨で金貨購入と、何もせずして金量が溜まる展開に。そうか、悪魔の工房は「どっちにも行ける」カードだった。
buyがBoon以外で増えないため、金貨が偉いゲームに。それでも7金を多発して2位。

 

 

3.

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避難所場
1番手2位

初手:Church-青空市場

道具とChurchと保存と、次のターンに手札を送る方法が多すぎてみな頭を抱えながらプレイ。Chruchは沈み、第3ターンの青空市場は保存で次のターンに送り、納屋廃棄のリアクションとした。
保管庫と金貨で属州を狙うルートに行くも、そんなことしなくても金貨は潤沢に入るので道具の方でよかった。保管庫より道具の方が、打って2ドローした後に余分な分を次のターンに送れるため。金貨たくさん持ってるときの保管庫は金量が出すぎる(4金余れば保存で金貨1枚を送れるが、道具なら3金余りで同じ事ができる)。道具2枚体制の2番手に勝てず2位。

 


4.

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空白は偵察員(4)。


4番手2位
初手:銀貨-羊飼い

技術者で羊飼いも偵察員もポーションも取れる。なら初手技術者か、と思ったが、4番手で他と同じ初手もどうかと思い(間違った考え)回転重視で1周目に羊飼い。これが1枚捨てしかできず。
5金出るたびにSpice。いや3金でも宴会でSpiceでいいのではとも思う(薬師があるから)。なんなら1番手は初手宴会(Spice)だった。
結局薬師は入れず、羊飼いは働かず。それでも2位で終えたのは屋敷の枚数を稼いだから。4金2buyで4点になるので。

 

5.

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1番手2位
民兵-銀貨-馬上槍試合-金貨

1番手として理想的な展開だった。2番手も同じく民兵-銀貨で入り、3ターン目には自身が、4ターン目には2番手がそれぞれ民兵を打つことで、下位手番の2人に5金を出させない展開。しかも自身は第3・4ターンに民兵を食らわず、その隙に金貨を入れる。3周目の終わりに何となく買った恵みの村で+1金を出し、次のターンの手札のナチュラルセブンとあわせて属州1番乗り。なのに2番手が先に属州と馬上槍試合を揃え、褒章5種を独り占め。勝負あり。